水温計は嘘を言わない。

水温計、水温計ってしつこい元釣具屋店員のブログ。

行く所まで来た感がある現代のロッド。これからはリールシートとグリップで個性を生む時代か?

どーも、ムラキです。

元釣具屋店員です。

いらっしゃいませー

 

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先日、約5年ぶりのエギング再開にあたり、シマノのセフィアBB S80Mを購入した。

  

インプレ記事はまた後日まとめますが、実は10年くらい前にもセフィアBBは使ってたんですよ。エギングを始めた時に。

 

10年後に同じモデルの現行品に戻ってきたわけですが・・・完全に別モノで唖然とした。

 

ロッドの進化に唸るのと同時に、これからのロッドの進歩について色々思う事があったので、考えをまとめてみようかと思います。

 

良かったら最後までよろしくどーぞ。

  

目次

 

現代のロッドは凄すぎる。

ロッドの進歩は凄まじいです。特にここ10数年でのロッド性能の向上っぷりは、釣りの歴史上、類を見ないスピード感だったんじゃないですかね。

 

ハイエンドはおろか、低価格帯であっても十分過ぎる位の性能を有してるモノも沢山あります。

 

10数年、と書いたけど、ぶっちゃけオレが釣具屋で働いていた5年前でもそれは十分に感じ得ていた事なんだよね。

 

職業上、毎年毎シーズン、新製品やモデルチェンジしたロッドを触ってきました。”勉強”あるいは”商品整理”という口実で店内で結構遊んでましたよw

 

でも真面目な話、ハイエンドクラスの新製品を触る度に、

 

「これ以上シャープな世界ってあるの?」

 

等と、性能向上の限界を疑ってきたし、エントリーミドルクラスの新製品を触る度に、

 

「ハイエンドクラス、もう売る気無いだろw」

 

等と、無駄にメーカーを心配して来た。

 

でも、数年後にはもっと凄いモデルが登場し、相変わらずハイエンドクラスを支持する人はいる。

 

メーカーと釣人の向上心には終わりはないっていう事ですよね。

ブランクス側に関しては、これ以上の性能向上は果たして正義か?

ここからが本題です。

 

正直な事を言ってしまうと、ブランクスそのものは勿論として、ガイド等も含めたロッドの”ブランクス側”の性能向上に関しては、もう到達点をとっくに過ぎてるような気もする。

 

少なくとも一般人が快適に釣りをする上では。

 

誤解を恐れずに言えば、少なくともバスロッドに関しては6年以上前にエクスプライドやゾディアスを初めて触った時に完全に”到達点”を感じた。自分でもエクスプライドを使用してるけど、これ以上の領域はもう一般人には五十歩百歩じゃないですかね・・・

 

ソアレX TUNEを一時期使用していた。何が良いの?って聞かれると、「全部が楽で鋭い」って言葉しか出てこない自分の語彙力に嘆く他なかったですw

 

ブランクス単体でのシャープさ、強度やパワー等に関しては、もうどの価格帯にしても満足度は高すぎるほどに高いと思うのです。

 

勘違いして欲しくないのですが、ブランクスの性能や技術の向上を否定しているわけではないですよ。

 

技術の向上を止めなかったからこそ今の領域があるのであって、これからも素材や製法などの向上は努めていって欲しいです。ブランクスはロッドの心臓部だしね。

 

オレが言いたいのは、ロッドの使用感や満足感の向上を、ブランクス側”重視”で求める時代はもう終わりにしていいんじゃないか、という事。

 

もっと言うと、これからはリールシートとグリップ側にウェイトを置いて開発していった方が良いんじゃないか、と思うんですよね。

リールシートやグリップはあまり進歩がない。

ハッキリ言って、リールシートやグリップ周りって、ブランクス側と比較すると大した向上は無いような気がするんですよ。

 

リールシートに関してはオリジナルで製造しているメーカーも少なく、富士工業に依存しているメーカーも多い(それが必ずしも悪い訳じゃないけど)。

 

形状のバリエーションなんかは増えはしたけど、10数年前と比較しても本質的な進化というのはあまり感じないし、EVAやコルク以外の素材も出てこない(後述するけど例外はあるよ)。

 

10数年前のエントリークラスと現代のエントリークラスでは、ブランクスの性能の違いは大きくても、リールシートやグリップ周りなんて殆ど変わらないんだよね。

 

恐らくここまで読んだ人の中には、

 

「いや、リールシートやグリップを追求したって大して変わらないでしょ」

 

って思った人もいると思う。

 

でもね。

 

それはちょっと違うでしょ、と。

リールシートやグリップは、釣人が唯一触れる場所。

少し話がずれるけど、今年の初めにゲーミングチェアを買ったんですよ。

 

これまでは安いオットマンに座ってブログを書いたりデスクワームをしていたんですが、お尻や背中、腰回りが痛くなってくることが多くて。

 

地味に腰痛持ちですし、長期的に見るとイスに投資した方が良いんじゃないかと思って、4万弱するゲーミングチェアを導入してみたんです。

 

まぁ。楽ですよ。ホントに。

腰痛どこ?っていう。

 

座り作業がこんなに楽になるとは思わなかったです。

 

で、この経験からも感じたのは、自分が常に触れる場所、体を支持してくれる場所っていうのは世界を変えるポテンシャルがあるという事です。

 

このブログでも過去に何度か書いた事があるのですが、意外と見落としがちだけど、リールシートやグリップって釣人が唯一触れる場所なんだよね。

 

投げる・操作する・感じる・掛ける・寄せる・・・ブランクスは色んな仕事を担ってくれる訳だけど、そのブランクスに仕事をさせ、支えるのは人間の体な訳です。

 

ロッドやリールを包み込む手のひらは当然だし、肘やわき腹はグリップエンドを支える際にも用いる。

 

こう考えると、一番触れてる時間が長い場所が、全然進歩していないという事実は割と無視できない課題だとオレは思うんですよね。

 

心臓部のブランクス側に関してはもう十分過ぎるレベルに来てしまった以上、これからは釣人が一番触れる時間が長い、リールシートやグリップ側を重点的に進歩させていく時期に入っていくべきじゃないですかね。

グリップに関して先を行ってるメーカー。

率直に言ってしまえば、グリップ側への探求は現状シマノが先を行ってると思う。

 

先にも少し触れましたが、ソアレX TUNEでカーボンモノコックグリップに初めて触れた時、結構衝撃的だったのを覚えている。感度云々も勿論あるけど、エンド部が手や腕で触れる感覚がEVAでもコルクでも感じた事ない、硬質な感覚で面白かったです。

 

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画像引用元:シマノHP

 

今では、リールシート部にまで中空カーボンを採用するフルカーボンモノコックグリップや、カーボンシェルグリップなるものさえ登場した。すげぇ・・・

 

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 【画像引用元:シマノHP

 

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【画像引用元:シマノHP

 

それと、もうウルトラ本気でメチャクチャ気になってるけど近隣に置いてる店が無くてもどかしい(※スミマセン、単純に発売日がまだでしたw)のが、セフィアリミテッドのリアグリップ。

 

 

 

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【画像引用元:シマノHP

 

EVA素材でフラット形状のリアグリップって他にも無くはないけど、どれも”角”にクセを感じて好きになれなくて。丸みのある角の無いフラット形状っていうのが凄く気になるんだよね。

 

カーボン一体成型でグリップを作る事が絶対的に正しいとは思わない。むしろ硬質な感触が合わない人も普通にいると思う。

 

それでも間違いなく新しい個性の領域だと思うし、グリップの製法や素材、あるいは形状で感度や触れる感覚を作ろうとする事は、ある意味ロッドメイキングの先を行こうとしてるんだろうなと思う今日この頃です。

リールシートやグリップで個性を作る時代が来る・・・かな?

流石にシマノは極端な例だし、ああいう技術が必ずしも正解だとは思えないのは先述の通りです。

 

ただ、どこのメーカーでもブランクス側の満足度が高くて差別化も難しくなった以上、これからはリールシートやグリップの形状とかでロッドの個性や世界観を作り、差別化を図る時代じゃないですかね。

 

個人的にこの辺で注目してるのはエクリプス。お店で触っただけだけど、エクリプスのグリップは結構面白い。

 

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 【画像引用元:エクリプスHP

 

あくまで”オレの体には合った”っていう前提だけど、パーミングする小指や手刀部のグリップ力と、肘の収まる感は割と好きですね。

 

チェスの駒みたいな奇抜なくびれ形状だけど、ホールド感を計算して作ってるのがスゲー伝わる。

 

ビビるほど高いけどねw

 

でも、コストに目をつむってでも、オリジナル形状のグリップで感度や操作性、ホールド感を生み出す事に拘ったメーカーやブランドが増えると面白いな、と思う。

 おわりに

最近考えている事をダラダラと書いてみたけど、現代のロッドを使ってばらしたり思うように釣れなくても、もはや釣人が言い訳出来る要素は非常に少なくなった時代に入ってると思う。

 

それ位、ブランクス側の性能や満足度は高いです。

 

単純に釣るための性能が充実した以上、これからは新しい領域で世界観を作るメーカーやブランドが支持を集めていけるような気がしてます。

 

何にせよメーカー問わず、タックルをここまで進歩させた日本の釣り具メーカーのいい意味での”変態性”には感服するしかないなと、新しいロッドとの出会いに思った次第です。

 

以上、ムラキでした。

 

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