どーも、ムラキです。
元釣具屋店員です。
いらっしゃいませー
時々考えるけど、もう高感度ロッドなんて無いんじゃね?って思うんですよ。だって今時、安いロッドでも十分釣りが出来る程の感度を備えてるじゃん、っていう。
そりゃ流石に釣具屋で3,000円とかで売ってるような入門セットのロッドとかであれば少し話が違うよ。ソースはオレよw
でも、今日日のメーカー品のロッドで1万円以上も出して、高感度じゃないロッドを手にする方がもう難しいんじゃないの。
「~使ってたけど感度がクソだったわw」的なインプレをたまに見るんですが、それは99%自分のせいだと思うよ。
良かったら最後までよろしくどーぞ。
目次
- 高感度ってどの程度の感知力なのか。
- 1万円出したらほぼほぼ高感度。
- 感度が悪いと感じるのは自分のせい。
- ロッド&ラインさばきは奥が深すぎる。
- エギングとフカセの極み人に共通する事。
- 道具のせいに出来ない残酷な時代。
- おわりに
高感度ってどの程度の感知力なのか。
本題に入る前に少し整理しておきたいのですが、そもそも「高感度ってどの程度の感知力のコト??」って話だと思うんだよね。
まぁ、釣りにもよるけど・・・オレなりの高感度と呼ぶに値する条件は以下の3つですかね。
①ボトムで引っかかるモノが硬いか柔らかいか分かる。
②引っかかっていたモノが外れる瞬間が分かる。
③ラインを張らず緩ませず保っていれば魚信を感知できる。
ボトムを取る機会が多い釣りだと特に①と②は割と重要かな。③は軽いリグを扱う時にもめっちゃ重要になる。ただし、あくまで張らず緩ませずの状態で、です。ラインをピンと張ってさえすればグラスロッドでも鋭い魚信は得られますから。
でも正直な話、これは人によって意見は分かれるとは思う。
「岩やテトラのざらつきを感じ取れないと!」っていう人もいるし、「ボトムの小さな石ころ1つ感じ取れるモノじゃないと!」っていう人もいれば、中には、金属的な当たりがどーとか、0.9gのダウンショットリグで水深20mのディープの底取りが出来るレベルの領域を求める人もいる。
ですが、何もそんな変態レベルの領域で無くても、先述の3つさえ得られれば解像度の高いイメージが得られ、チャンスを逃す可能性をグッと減らせるので十分過ぎる程だと思いますよ。
変態レベルの領域を求める人や、トーナメンターの人達が求める感度のレベルはもう超が付く高感度レベル。あくまでハイクラスの領域です。
石ころ1つを感じ取れるレベルとか普通に釣りする上で絶対に要らないっすw
1万円出したらほぼほぼ高感度。
で、先述の①②③ですが、このレベルの感度なんて、今日日のロッドなら1万円も出せば基本的に手に入ります。
エントリークラスのロッドであっても、10年前だったら倍のお金を出さないと手に入らなかったような軽さ・感度・パワーなど各種性能が得られるケースは多く、なんだったら、10年前のエントリークラスのロッドでも①②③は十分得られてたよ。
特にバスロッドに関しては、1万円以上のロッドに対して高感度かどうかなんてもはや議論するに値しません。
バス釣りで基本的に狙う水深と投げる距離なんてたかが知れてるし、海と比較しても足場の高いシチュエーション、流れが複雑な場所なんてさほど多くなく、カワハギやアジのような微細なアタリを取れるかどうかで釣果が変わるような魚ではありませんから(それが問われる状況もあるけど基本稀です)。
それに、このブログで何回か書いてきたけど、7年以上前にゾディアス・エクスプライドが世に出てきた時点で一般の釣り人の到達点はとっくに迎えたと思ってる。このクラスの性能がこの価格帯で手に入るような時代に突入したんやなぁ、もう素人でも道具のせいに出来ない時代なんやなぁ、って当時は唸ったもんですよw
ましてや、今年新しくなったゾディアスなんてカーボンモノコック採用っすよ。この価格帯でここまで軽くして大丈夫なのかね・・・6.6ftのMクラスで102gのバスロッドが1万と数千円台で買える時代っすよ?
おっさん世代なら分かると思うけど、一昔前ならカタログの誤表記かシマノがご乱心かのどちらかとしか解釈しようがない現実がやってきてるわけです。凄すぎて草。
感度に限らず、一般人が釣りをする上で必要なありとあらゆるロッド性能は、10年前と比較しても低価格で手に入れやすくなったのに、感度にぶー垂れる族が一番多いのってバサーなんだよね。いやいや、君が持ってるロッドが泣いてるよ・・・と。
バスに限らず、少なくとも現行品の定価で1万円以上するロッドを使ってて、感度が悪いというのは流石に無いんじゃないですかね。率直に言えば、ロッドのせいにするのは間違ってると思うよ。
感度が悪いと感じるのは自分のせい。
今日日の1万円以上のロッドを使ってて感度が悪いと感じるのは、99%の確率で自分のせいです。ロッドはわるくありません。
じゃあ、その感度を落としている要因って何なの?って話ですが大体以下の4つです。
①明らかにロッドと使用するルアーが合っていない。
②水深が深すぎる。
③風や流れに対してリグが軽すぎる。
③ロッド&ラインさばきが雑。
①に関しては論外。柔らかいロッドで推奨ルアー以上に重いリグを扱うとか無茶なことやってる人は意外といるけど、ロッドが可哀そうだからやめたげて。
②は伸びがあるナイロンフロロの話ね。PEでディープ攻めてて感度が悪いと感じるのは①③④が原因です。ラインの伸びに関しては、シンプルにラインの特性の限界です。だけど、道具の限界を超えて釣りをするのはやっぱり自分のせいかと。
③もめっちゃ大事。ボトムが感知できない、操作が難しいならリグは重くするべきだし、状況に合わせたルアーの重さの調整はある意味釣りの基本でもあります。リグは軽ければ良いってもんじゃないよね。
で。
重要なのは④です。ぶっちゃけ、高感度を生み出せない大半の要因はコレです。
分かりやすい例でいうと糸電話。糸電話のコップが紙コップだろうと金属製のコップだろうと、コップとコップを繋ぐタコ糸が雑にカーブしてたら意味がありません。糸電話はタコ糸をしっかり張って初めて振動を伝達できるわけです。釣りにおける振動の伝達の構造も基本はこれと同じです。
糸ふけの出し方に無頓着だと、ティップにチタンが入ってようが、グラスロッドだろうが、ボトムの感触は感じ取りにくいし、フォール中の微妙な当たりだって見逃します。
「当たりが取れない!竿のせいだ!」
「ボトムの感触が鈍い。ゴミ竿ワロタw」
って酷いレビューを書く前に一度自分に聞いて見なよ。
ラインを丁寧にさばいてたの?
風が強いならロッドは下げてさばくべきだし、風で舞わないように糸ふけを水面に付けて真っすぐに整えるべきだし、風や流れが強いのに何も考えずにラインを放置してたら”つ”の字にカーブするだけです。足場が高い場所なら尚更です。
糸ダルダルの糸電話に文句言うとかギャグ漫画でも見た事ないっすよ。
とはいえ、ある程度コシと硬さを有したナイロンやフロロ、エステルラインであれば、多少のたるみを持たせていても魚信を伝達してくれますし、いつでもラインをピンピンに張ってたら魚は釣れません(詳しくは後述)。
なので、オレは常にラインを張ろう、と言ってるのではなく、丁寧にラインをさばくのが大事だよね、と言いたいわけです。
ロッド&ラインさばきは奥が深すぎる。
ある意味ここからが本題です。
ここまで読んだ人の中には、「偉そうなこと言って、じゃあお前は出来てるのかよ?」って思った人もいるはずです。オレなら思うよw
出来ないですよ。
完璧にはね。
何故ならロッドやラインのさばき方というのは、釣りの大基本であり、永遠の課題の1つです。潮の読み方や状況判断に匹敵する位奥の深いファクターです。
言うまでも無いけど、ラインは張り過ぎてもダメです。仕掛けやルアーにナチュラルな漂いを与えにくくなるし、アタリを弾いてしまう事もあります。かといってラインをダルダルにし過ぎてもお話にならないのはここまで書いた通りだし、糸ふけがあり過ぎても仕掛けやルアーを思うように動かせません。
それに先述の通り、足場の高さ、風の向きや強さ、流れの向きや強さによっても、ラインの張り加減、ひいては感度というのは影響を受けます。
だからこそ、ロッドとラインのさばきは難しいし、感度の高い状態を維持するのは大変。オレだって未だに頭抱える事の方が多いです。
2枚潮とか風の強い日の足場の高い堤防とか、意味不明過ぎて即投げやりモードになるよw
エギングとフカセの極み人に共通する事。
少し違う話ですが、エギングやフカセ釣りは、ラインの張り加減で釣れる釣れないがハッキリと別れる釣りです。まぁ、何釣りでもそうっちゃそうだけど・・・エギングとフカセは特に顕著です。
エギの姿勢の安定、仕掛けと潮の同調がキモになるので、ラインが雑にカーブしてたら、魚(イカ)が余程狂ってるコンディションで無ければ永遠に釣れないです。
んで、エギングやフカセをやり込んでる人というのは、”静”と”動”がめっちゃハッキリしてます。
動く時はロッド操作ですごく忙しい。風でカーブした糸ふけをすぐさま真っすぐにして、風の影響を受けない為に水面に丁寧に落とす。そもそも風の強さや向きがヤバいと感じれば、影響を受けない場所にさっさと動く。特にフカセの場合は足場が高いシチュエーションも多いし、尚更だね。
んで、イイ感じにラインが張れたらロッドを1ナノも動かす気がないかのように静かに構え、水面とラインの動きに注視する。
どっちの釣りもロッドの感度でアタリを取るというより、ラインの走りや、一瞬張るとか逆にたるむとか、ライン(もしくはウキ)の動きでアタリを取る釣りです。ラインの動きが、目で見える形で表現される事に命を掛けてる部分さえある。言わば”視覚的感度”を高める為に必死になっている。
特にエギングって、鋭い音を出して華麗にしゃくってる人が上手そうに見えがちだけど、そこは割とどうでもいいです。むしろキャスト後、シャクリ後のラインさばきの丁寧さにエギンガーの熟練度が表れます。
防波堤で一生懸命屈んでロッドを下げてラインを張ろうとしてるエギンガーとか見ると、もう”上手そうオーラ”が尋常じゃないですw
オレはフカセは苦手だったし、エギングも下手だけどまぁまぁやり込んだから分かるんですが、ラインの張り加減で釣果が大きく別れる釣りが上手い人は、何釣りをやってもすべからくロッド&ラインさばきが丁寧です。
言い換えると、”自分で”高い感度が得られる状態、釣れる状態を生み出す力に優れている。
上手くはないけど、オレの親父はフカセを40年以上やってる人なんですが、磯竿に感度を求める奴とか意味わからん、って昔から言ってる。「ラインを丁寧に張ってたら今時のカーボンロッドなら魚信を十分感じ取れるし、そもそもウキとラインの走りで分かるやろ」って。
ぶっちゃけオレも磯竿に超が付く高感度なんてトーナメンター以外には不要だと思う。スーパーメタルトップとか万が一折ったら、卒倒する程の見積書がやってきまっせw
色々話がそれたけど、感度(視覚的感度も含めて)なんて自分のロッドとラインさばきが大前提になるんじゃないですかね。
つまり、感度が高いかどうかって基本が出来てるかどうかだよね、っていう。
道具のせいに出来ない残酷な時代。
今は良い時代で、感度に限らず、優れた性能や丈夫さを併せ持つロッドが低価格で手に入る時代だと思います。冗談抜きで、今から釣りを始める人は恵まれていると思いますよ。
だけど、
それは裏を返すと、釣れない・獲れない・感知できないのを道具のせいにするのが難しい時代だという事でもある。
まぁ、釣りは覚える事も多いし、初心者の人は慣れるまで色んなことが有るから「上手くいかん!」ってなるのはしょうがないと思う。焦らなくてOKだよん。
でも、少なくとも釣りの基本的な所作が身に付いた中級者以上にとっては、釣れないのを道具にせいに出来る割合は極めて小さいと思う。
ましてや感度なんて、最初にも書いたけど1万円も出せば十分高感度と呼べるロッドが手に入る。感度感度と拘る人は多いけれど、もう自分が持ってるロッドが十分過ぎるほど高感度なのでは?
より解像度が高く、当たりの鋭さにビビってロッドを落とす位の超高感度な世界を求める人はより高みを目指せばいいと思いますが、その高みを実感できるのは釣りの基本を極めた人だけだと思うよ。
って、オレの中の林圭一が言ってた。
おわりに
本文にも書いた通り、ロッド&ラインさばきというのは永遠の課題の1つです。
釣り場に立てば風も吹くし、流れもあるし、足場も高い事はあるので。なので「感度が悪いな・・・」って感じるのはある意味では当然の事です。
だからこそ、「感度が悪いのはロッドがゴミやからや!」と吐き捨てるのではなく、基本に立ち返って丁寧に釣りと向き合ってみるのが良いんじゃないですかね。
って、タックルインプレッションを見るたびに思っていたので記事にしてみました。
参考になれば幸いですー
以上、ムラキでした。
この記事も読んでかない?