どーも、ムラキです。
元釣具屋店員です。
いらっしゃいませ~
ルアーフィッシング全般で語られる、マッチザベイトという考え方。
平たく言えば、
「魚が食べてるエサ(ベイトフィッシュ)に、ルアーを合わせていこうぜ!」
っていう事だね。
そもそも一言にマッチザベイトと言っても、
ベイトフィッシュのサイズ・シルエット(もしくはボリューム)・色・動き・レンジ・スピード・・・
と、意識して合わせていく要素は沢山ある。
で、よく聞いたりするのが、
「ルアーにコノシロが引っかかったから、コレに合わせよう!」
「今の時期は落ち鮎パターン!」
「小型のベイトを喰ってるからサイズ小さく動きもタイトに。」
っていう”エサに合わせる”意味でのマッチザベイト。
オレは正直、これは”弱い”と思う。
外れてはいないけど、本当の意味でマッチしてるのかは疑問。
マッチザベイトを突き詰める上で、釣り人が最も意識しないといけないのは、
”魚の気持ち”
つまり、マッチザフィーリング。
です。
今日もぶっちゃけるよ!
目次
- スピナベで釣れたバスの口から出てきた、手長エビの手。
- 喰ってるエサに合わせるな。喰いたい”気持ち”に合わせろ。
- もっと正確に言えば、”今の”魚の気持ちに合わせろ。
- おわりに:マッチザフィーリングを目指すなら水温計を買おう!
スピナベで釣れたバスの口から出てきた、手長エビの手。
出典:釣具のイシグロ HP
オレのマッチザ”フィーリング”っていう考えの根幹になった魚がいる。
数年前、早春のバス釣りで強烈な体験をした。
ボトムに岩がポロポロ転がるシャローを、スピナーベイトでボトムの岩に当たるか否かのレンジをゆっくり巻いていると、数投で40UPが釣れたんだよね。
で、そのバスの口を見たら手長エビの手が出てきた。
そこでオレはこんな仮説を立てた。
「このシャローには、”あまり速く動くエサは追えないけど、一度に高い栄養価が得られるモノが喰いたい”っていう微妙なコンディションの魚が入ってきてるのかも?」
スピナベはアピール力とボリュームがあるし、エビがいるボトムをゆっくり引いてこれるという意味でもマッチしてるんじゃないか?と。
結局その後、スピナベを根がかりでロストするまでの数十分の間に、同じエリア、同じパターンで40cm後半が連続で釣れた。
ところが、この後に投げたチャターベイトやスイムジグ、クローワームのテキサスのズル引きには全く反応しなかったのよ。
やっぱりスピナベのボリューム感と、スピード感がバスの食い気にマッチしていたんだと思う。
正直最初は喰ってるエサなんて全く意識してないし、春の定番であるシャローのスピナベパターンで釣りをしてただけ。
スピナベのどこが手長エビなの??
って話だけど、これで釣れたのは事実。
オレはこの時の経験から、
魚が何を食べたがってるかを考えるなら、その魚の”気持ち”をイメージする事が大事なんじゃないのか??
っていう事を学んだんだよね。
喰ってるエサに合わせるな。喰いたい”気持ち”に合わせろ。
その釣り場で見えてるエサ、あるいは魚が食べているであろうエサに合わせてルアーをチョイスする。
という考え方をしてしまうと、どうしても視野がせまくなる。
「YOU、これ喰ってるんでしょ?」
っていう。
まぁ、その考え方が必ずしも悪いとは言わないけど、オレは”弱い”と思うのよ。
ホントに”強い”マッチザベイトは、
「YOUはこういう気持ちなんでしょ?だからこれでしょ?」
っていう感じ。
例えばシーバスのバチ抜けパターン。
出典:ima HP アルデンテ
バチを意識した細身なルアーでスロ~にアプローチしてあげるのが一般的な考え方。
勿論これは理にかなってるんだけど、そもそもなんでシーバスはバチを食べたいの??って話だよね。
要は、冬の時期に産卵した体力が減ったシーバスが、簡単に食べ易いエサとして捕食するのがバチ。
しかも丁度バチの産卵時期にも被っているし、だからシャローでバチを意識した釣りが成立するよ、っていう事だね。
でね、マッチザベイトをただ”喰ってるエサ”に合わせる意識しか無い人と、”喰いたい気持ち”に合わせる意識がある人では釣りが全く違うと思うのよ。
例えば見えるバチのサイズに合わせて、小型のバチルアー投げてるけど釣れないと。
前者は首をかしげるだけ。「間違いなく見えてるのは小型のバチだぜ??」って。
ところが後者の場合、「もしかしたら一回で効率よく栄養が得られる大型のバチを選んで探してる?」っていうルアーのサイズをアップする発想が生まれる。
もしくは、デカいバチが流れてるエリアを探すとかね。
この違いって大きいよね。
バスとかでも、ボイルしてる魚を見てトップを投入するパターンが多いけど、案外釣れない事も多い。
ところが、とりあえずタックルに結んでたクローワームのテキサスを打ち込んだらフォールで一発で喰った、なんて意味不明な事もある。
魚を水面で追い詰めてんじゃねーのかよ!?っていう。
でも、この手の話ってたまに聞くけど、”エサを追い込んで喰いたい”バスの気持ちを考えれば、案外理にかなってるんじゃないの?
要はボトムだって水面と同じで”エサを追い込みやすい場所”なわけじゃん。見えてないだけで、実はボトムに追い詰めて喰ってるバスも多い可能性もある。
人間都合のマッチザベイトは明らかに弱いよ。
もっと正確に言えば、”今の”魚の気持ちに合わせろ。
少し話が違うけど、こんな話を聞いた事がある。
ちょっと正確な内容は忘れたんだが、多分64年の東京五輪の選手村での話だったと思う。
当時の日本人のシェフ達は、各国の選手たちの好みや食習慣に合わせた料理を提供するよう意識していた。でも、ある国の選手から不満が漏れた。
「美味しいけど、何か物足りない・・・」
疲れた選手には味が薄すぎた。
塩っけなのか、何なのかは分からないけどね。
それ以来、各国の選手の好みの合わせるだけじゃなく、疲れた選手のコンデションにも気を配って調理をするようになったらしい。
釣りも一緒なんじゃないかな。
シーズナルパターンとか、見えてるエサを軸にゲームを組み立てるのは基本正しい。
でも、一番意識しないといけないのは、
”今の魚の気持ち”
じゃないか?
人間都合の思い込みや推測は、魚にとっては的外れな事は多い。
落ち鮎パターンで釣れる魚は、今どういう気持ちで待ち構えてるのか?
シラウオパターンで釣れる魚は、今どんなコンディションなのか?
ビッグベイトで釣れる魚は、今どんな気持ちでエサを探しているのか?
それを考えるだけでやる事は全く変わってくるよ。
おわりに:マッチザフィーリングを目指すなら水温計を買おう!
マッチザベイトは、マッチザフィーリング。
それを喰いたい魚の気持ちを考えてみようぜ、って事だけど、その気持ちを考えるヒントを得たいなら水温計は必携だと思う。
恒温動物の人間でさえ、気温の変化で風邪ひいたり体調崩したりするよね。変温動物の魚なんて、水温の変化はそもそも命に関わる重大事項。
ベイトフィッシュの動き方も変われば、狙ってる魚の動きも変わるし。
というわけで、本気の強いマッチザベイトを目指すなら、水温計を絶対に持っておこう。
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100個のルアーより、
10回のルアーチェンジより、
1回の水温計測。
これはマジやで。
参考になれば幸いです!
以上、ムラキでした。
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