水温計は嘘を言わない。

水温計、水温計ってしつこい元釣具屋店員のブログ。

リールを水没させた時の「絶対NG」と「やるべきコト」を元店員が語る。

どーも、ムラキです。

元釣具屋店員です。

いらっしゃいませー

 

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これを読んでいる方の中には、リールを水没させた事後に急いでググってこの記事に辿り着いた方もいると思うので、先に「絶対にやってはいけないNG」を言います。

 

ハンドルを回しちゃダメ。

 

とりま、そこからです!

 

良かったら最後までよろしくどーぞ。

 

目次

 

海水・淡水問わず、水没させたら使用は諦めよう。

最初に残酷な事を言うようですが、もう手遅れです。繰り返しになりますが、ハンドルを回さずギアを回転させない事に今は集中しよう。

 

詳しくは後述しますが、リールを振ったりして、内部の余計な水を切ったりしてもOKですが、ハンドルを回転させないようにだけ注意してね。

 

水没させると即故障・即修理というワケでは無いのですが、少なくともリール内部に”海水や淡水が大量に侵入してしまった”という状況は覆りません。つまり、現状から悪くなる事はあっても、事態が好転する事は(すぐには)あり得ないんだよね・・・

 

 海水・淡水問わず、基本的にはリールの水没はよろしくない。

 

海水は言うまでも無いよね。錆を生む塩分が大量に含まれているから。リール内部は只でさえ潮だらけなのに、ギアとハンドルが回ろうものなら潮が付着する箇所を増やす&浸透させるだけ。

 

淡水だったら少々の水没なら気にしなくていいっていう人もたまにいますが、淡水であっても水域によっては微細な土やゴミの粒子が含まれている事も多いので油断はNGです。

 

特に濁りが強いマッディな水域で水没させてしまうと、下手すると海水以上に最悪の事態を招きますよ。

 

土の粒子等が大量&大きく、ハンドルを数回回そうものならギアがそれらを噛んでしまい、一発で「ゴロ」感が発生します。これは実際にオレが経験した事です・・・ほろ苦い。この辺の話は後述します。

 

つまり、海水だろうと淡水だろうと、ハンドルを回す事によって心臓部であるギアに対し、より深刻なダメージや影響を与えてしまう恐れがあるというワケです。

 

水没させてしまうと「大丈夫かなぁ」ってついハンドルを回してしまいがちなんですが、この”つい”が事態を悪化させる元凶にもなるのでまずはコレをNGとして挙げました。

 

人間で例えるなら、病原菌だらけの沼に裸で飛び込んだあと、水泳したり、沼の水を飲んだりするようなものだと思います。

 

とりあえず上がってじっとしとけ!って話だよねw

 

次からは、”ハンドルを極力動かさない”という事を理解した上で、「やるべきコト」をいくつか挙げていきます。 

やるべきコト① リールを振って水を切る。

上でも少し書いたけど、リールを傾けたり振ったりして中の水を切る位だったら全然問題ない。というか、内部に大量の水を溜めたままにしても害しかないので。

 

ただし、手やリールが濡れた状態で勢い良く振ったりすると、万が一手が滑ってリールがすっ飛んでいく恐れもある。

 

それに、勢いがついてハンドルが回ってしまう恐れもあるため、ハンドルを抑えながらやった方が良いです。

 

どちらにせよ、やるなら軽い力で優しく水を抜いてあげて下さい。

やるべきコト② 水道水でジャブジャブ洗う。

特に海水に水没させたら、出来るだけ早く綺麗な水道水でジャブジャブ洗ってしまいましょう。リール表面は勿論、どうせ内部は潮だらけですし、水道水がリール内部にがっつり侵入しても構わないので中も外も水道水で流してあげて下さい。

 

ただし、ドラグは締めこんでからやった方が良いかな。これは普通の水洗いでも一緒ですが、ドラグは内部に水が大量に溜まると油脂が流れ、ドラグ性能が著しく低下するからです。

 

といっても、後述しますがどちらにせよメーカーに出した方が良いし、水没させた時点で既にねぇ・・・って話なんですがw

 

それと、スピニングリールだったらラインローラー周辺はモロに潮に飲み込まれているはずなので、内部のベアリング等を守る為にも特にガッツリ洗って良いです。

 

淡水でも一応ジャブジャブやった方が良いですが、表面に付いた粒子や泥を流す程度で良いです。塩分と違って土の粒子は溶けたりしないので、あまり大量にやっても意味がないと思うので。

 

どちらにせよ言える事ですが、とにかくこの時もハンドルは回さない事。

 

塩分が溶け出す海水だったら多少回しても問題ないと思うけど、淡水は先述の通り、土の粒子が必ずしも排出されるとは限らないのでやらない方が良いです。

 

とにかく、何をやるにしても守るべきは心臓部であるギアです。

やるべきコト③ 出来るだけ早くメーカーにOH依頼する。

最終的な話になりますが、水没させたらメーカーでオーバーホールをして貰うのが最適解ですね。

 

普段から自分で分解清掃やってるよ、っていう人は自分でやっても良いと思いますが、そういう人は恐らくこの記事は読んでいないはずですし、そこら辺の話になると自己責任の話になるのでここでは触れません。

 

色んなお客さんを見てきたし、オレ自身も水没させたことは何回もあるのですが(海水・淡水両方)、悪い事は言わないので多少お金掛かってでもメーカーの方で洗浄&油脂交換をして貰った方が良いですね。

 

お客さんでたまにいるのが、ハンドル回転時に酷いゴロが出るようになったリールを持ってきて、話を聞くと少し前にリールを水没させたことがあった、っていうパターン。

 

「大丈夫だろう」「OHに出すのが面倒、お金が勿体ない」と油断して、適当に洗ってしばらく使ってしまう人がいますが、まぁ、やめた方が良いね。

 

心臓部であるギア回りのパーツがやられた修理代金は、OHに出す金額の2~3倍以上は掛かると思って良いです。

 

特にハイエンドクラスなら尚更です。

 

内部搭載しているベアリングの数も多いし、各パーツの値段もエントリー・ミドルクラスと比較しても高い場合が多いです。

 

ハイエンドクラスで、メインギア・ピニオン・ベアリング類・・・この辺りを一気に大量交換となると、見積書はとてもじゃないけど嫁さんに見せられないっすよw

 

あの時早く出しておけば・・・ってなる位なら先にコスト払って、大事なリールを綺麗にして貰った方が良いと思いますよ。

OHの値段ってどれ位??

メーカーによってコースが色々あります。最低限の検査と注油だけのコースもあれば、隅から隅まで分解してくれるコースまで様々なんですが、

 

水没によるオーバーホールを依頼するのであれば、各メーカーの”基本コース”で十分かと思います。ダイワであればS(スタンダード)コース、シマノであればBコースがそれに該当します。

 

分解・洗浄・油脂交換だけで良いなら、恐らく5,000円も掛からない事が殆どだと思います。

 

これを機に、摩耗してるベアリングやパーツを一緒に交換して欲しいっていう依頼も勿論出来るので、その場合の料金は完全にケースバイケースですね。

 

依頼の仕方としては、リールを釣具屋に持っていって「水没させたからOHに出したい」っていう風にスタッフに伝えればOKです。そこから「分解洗浄・油脂交換だけ」なのか「気になる部品があれば交換してもらうか」等聞かれるかもしれませんが、ご自身の希望に合った依頼を伝えてね。

 

ダイワとシマノのOHについてより詳しく知りたい方は↓を参考にして見て下さい。

 

【ダイワ】

AFTER SERVICE : OH(オーバーホール)について - Web site

シマノ

メンテナンス|コース別の作業内容と料金|シマノカスタマーセンター|SHIMANO|シマノセールス株式会社

 

海水より、淡水での水没の方が意外と怖い。

最後になりますが、オレの経験上、リールを水没させると意外と淡水の方が怖いです。

 

錆を生む塩分は確かに怖いけれど、真水に触れれば溶け出すので事後に水洗いすればある程度は排出させる事が期待できるし(完全には多分無理です)、乾燥させない限りは結晶化してギアに噛みこんで直接的に悪さをする事も無い。

 

なので、海水であれば、最悪ハンドルを回してしまったとしても一発で重故障になる事態は起こりにくいかと思います。

 

しかし、淡水の場合、ここまで何度か書いてきたように土やゴミといった粒子が悪さをするケースが少なくないです。これらは粒子自体が比較的大きくて水道水に付けても溶け出しにくく、乾いていようが湿っていようがギアに噛みこむと一発で傷んでしまう場合も十分あり得ます。

 

勿論、海であっても海底の砂などが含まれる場合もありますし、どちらの場合であってもハンドルは回してはいけないのはここまで書いてきた通りです。

 

が、淡水の場合は物理的に人間と湖底や川底との距離も近いため、落とした場所のエリアの水の粒子に、土やらゴミやらが多く含んでいる可能性は高いんだよね。

 

水質がクリアな水域なら大丈夫かと言えば、それも難しい所で。ジンクリアと呼べるようなレベルだったら大丈夫かもしれませんが・・・落としたリールがイグジストやアンタレスってクラスだとすると、少なくともオレならもう使わないかな・・・万が一があると怖いです。

 

因みに、濁っている水域で水没させたら絶対にハンドルは動かしちゃダメ。マジで一発でギアがやられる可能性が高いです。

 

オレは昔、カフェオレ色に濁った水域で水没させたことがあるけど、2回位ハンドル回してジリオンのギアを完全にお釈迦にしました・・・たった数回転で諭吉先輩とサヨナラすることになるので、特にバサーの方は気を付けよう。

おわりに

最初にも書いた通り、内部に塩分やら粒子やらが大量に侵入してしまった時点でもう諦めましょう。

 

分解洗浄と油脂交換をしない限り、悪化する事はあっても、好転する事は絶対に無いですから。

 

海水・淡水問わず、意外とやってしまいやすいトラブルなので、大事なリールを守る為にもキッパリ使用を諦めて、数千円のコストで綺麗にして貰うのが確実ですよ。

 

参考になれば幸いです。

 

以上、ムラキでした。

 

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