どーも、ムラキです。
元釣具屋店員です。
いらっしゃいませー
今回のテーマは
「高いロッドと安いロッドの違い」
です。
実はコレ、釣具屋時代にメチャクチャよく聞かれた質問です。
これのリールバージョンも多いかな。
リール編はコチラ。
で、正直言ってこの話は凄く難しい。
リールに関してはある程度「~が違ってくるよ」って言える部分があるけど、ロッドに関しては一言で言語化するのが難しいんです。
オレなりの結論から言ってしまうと、高いロッドと安いロッドの違いとは、
「釣人が言い訳出来る理由の数」
に行き着くと思っています。
良かったら最後までよろしくどーぞ。
目次
大前提:初心者セットのロッドとハイエンドは比較しないよ。
流石にね、釣具屋のオリジナル商品にあるような”シーバス入門用”とかで売られてるロッドと、モアザンAGSとかとを比較するのは違うと思う。
100均の包丁と職人が作った数万円の包丁ではキレ味や耐久性なんかが雲泥の差なのは流石に明確だよね。それと同じです。
あくまでこの記事で話すロッドの違いは、
「メーカーの品のハイエンド機種とエントリーorミドルクラス」
みたいな感じでとらえてもらえたらと思います。
「モアザンAGSと、シーバスハンターXやラブラックス」
「ポイズングロリアスと、ゾディアスやエクスプライド」
「ベイシスと、アドバンスイソやラフィーネ」
的なイメージでお願いします。
具体的に何が違うのか?
高いロッドと安いロッドでは、細かい仕様の違いが沢山ありますが、ざっくり言えばガイドとブランクス(ロッドそのものの部分)が違う、という認識で問題ないと思いますよ。
簡単に説明してみます。
※ただし、これはあくまで基本的な傾向。一概には言えません。
ガイドが違う。
ガイドにも色々あって、中のリングの素材、フレームの素材等によって、値段も機能性も変わってきます。
まずはリングの素材から説明しますと、現状「ハードリング」「sicリング」「トルザイト」の3タイプに分かれると思って貰って良いです。
硬さ、滑りの良さ、熱の逃がしやすさ、軽さ等が違ってきますが、基本的な話としては「ラインを痛めにくく、ラインによる摩耗で削れにくい」度合が違ってくるという認識でOK。
・ハードリング・・・比較的安価で性能はそこそこ。エントリークラスに多い。
・sicリング・・・少しコストは高くなるが高性能。ミドルクラス以上はほぼコレを採用している
・トルザイトリング・・・sicと比較するとほぼ同等の性能で軽く、コストはさらに高くなる。採用している機種はほぼハイエンド機種。
と言った感じですね。
フレームに関しては、主流なのは「ステンレス製」と「チタン製」。軽さと錆びにくさの違いと思って貰って良いですね。
比較的安価なモデルはステンレスが多く、ミドルクラス以上になってくると、より軽くて錆びにくいチタンを採用しているケースが多いです。
近年、一部のハイエンド機種ではカーボン製のフレームのガイドを採用するケースもありますが、まだまだ多くは無いです。ダイワのAGSガイドなんかが有名です。
まぁ、正確に言うとガイドの数によって値段が変わる場合もあるのですが、これはロッドが高いか安いかというより、シリーズやコンセプトによって変わる話かと。
カーボンブランクスの弾性、製法技術が違う。
ロッドの心臓部・・・というより、ロッドそのものでもあるカーボンブランクスの弾性、または製法技術が違ってくる場合があります。
基本的に、カーボンは弾性によって値段が変わってきます。
粘り強く、トルクと曲がりに対する強度に優れた低弾性カーボンよりも、軽くて反発力が強い高弾性のカーボンの方が値段は高くなる。
一概には言えませんが、値段が高いロッドの方が軽くて感度の良いロッドが多くなっていく傾向があるのは、これも要因の一つになっていますね。
また、高いロッドは捻じれに強くて折れにくく、強度を高めたりロッドの性能を引き出しやすい製法が採用されているケースが多いです。
有名なトコロだと、シマノのスパイラルXコア等ですね。
しかも、こういった技術がロッド全体に採用されているモノもあれば、バット(胴の部分)にだけ採用されているケースもありますね。
※現在のロッドの素材はカーボンですが、実際にはグラス素材のものもあります。
今のロッドは低価格帯でも性能がイイ。
いち店員としても、いち釣人としても高級ハイエンド機種からエントリークラスまで触ってきたので先に断言しておきます。
現代のロッドは低価格帯でも作りがしっかりしていて、申し分ない性能とコスパに優れたモノが多いです。
ココで言う性能というのは、剛性、軽さ、感度、重量バランス、パワー、ばらしにくさ・・・等々、釣りをする上での快適さや安心感に関わる要素だと思って欲しい。
例えば、オレがバスロッドで長年愛用していたのがアブのホーネットスティンガーMGS。今は手放したけど、ぶっちゃけ当時は思ったもん。あっ、もうハイエンド要らねぇわ、って。とか言いながら、ハイエンドは手放さなかったけどさw
製法や素材も日々進化していくし、ダイワシマノ等大手の場合だとハイエンドの最新の技術を低価格帯のロッドにまで落とし込むまでのスピードも速くなってきた。
シマノのスパイラルXやハイパワーXみたいな技術も、今では当たり前のようにエントリークラスやミドルクラスに適用されているよね。
エクスプライドやゾディアスなんて、初めて店で触った時は「ハイエンド売れなくなるのでは・・・」って無駄に心配した位ですw
なので、ここでまず言っておきたいのは、「昔と比べてハイエンドとエントリー・ミドルクラスの差はそんなに無いですよ」って事。
エクスプライドなんて、一般のバサーが釣りする上であれ以上の性能は要らないんじゃないの。
勿論ハイエンド機種はハイエンド機種で、これでもかとコストをかけて作りこんでるわけだから、エントリー、ミドルクラスより光ったモノを備えているのは間違いない。
アジングロッドで言えば、ハイエンドに近くなればなるほど感度や軽さは正比例していくと思って良いだろうし、
ショアジギングロッドなら、ハイエンド機種の方がよりトルクフルで剛性も高く、ハードな現場での安心感を得られるだろう。
つまり、その釣り方、狙い方に関してはエキスパートとして作りこまれたのがハイエンドクラスなわけですよ。
ここから先は結構シビアな事書くんで、ハイエンド機種持ってる人は覚悟してね。
ハイエンド機種を使うと、もう良い訳は出来ませんよ。
いやホントに。使い手を普通に選びますよ。
「プロとは、言い訳をしない事」
プロゴルファーの青木功が昔そう語っていた。これはロッドチョイスにも言える事だと思う。
例えの引き合いに出すのは少し気の毒なんだけど、YOUTUBERの渥美拓馬氏のこの動画↓
【神回】水面が大爆発!超巨大魚がルアーに襲いかかる!!!【タイ王国】
(3:40~)、(4;42~)
これはね、そりゃ折れるよ、と。いくらワールドシャウラでもあんな立て方(寄せ方)したらティップ~ベリーに無理な負荷が掛かるに決まっているわけで。
彼には気の毒だが、折れた事実自体はデカいの掛けたら誰だってパニくるししょうがない部分もあるけど、「僕、何にもしてないです!」と言っちゃうのは流石にどうかと。
でも、ハイエンドを使用するってそういう事なんですよ。
それを使用する以上、そのロッドを乗りこなせなくてばらしたり、破損すれば全部自分のせいとして残酷な事実が突き刺さってくる。
ハイエンド機種というのは、その釣り方を徹底的に追求したプロフェッショナルな性能と世界観を持っているんです。場合によっては、何か1つの要素を極める為に何かを犠牲にしているモノだって沢山あります。
感度と軽さを追求すれば剛性や強度を犠牲にせざるを得ないし、剛性やトルクを重視すれば感度や軽さを捨てざるを得ない。
いくら頑丈に作ってるワーシャでも、軽さと感度も両立している以上、下手な曲げ方すれば余裕で折れますよ。ワーシャなのに折れた!じゃなくて、”ワーシャだから”折れたんですよね、上の動画は。まぁ、ワーシャじゃなくても折れただろうけどさ。
いくら最新の素材や技術をもってしても、
何かを得るために何かを捨てる必要があるのは永遠に変わらない真理です。
逆の言い方をすれば、得るモノも捨てるモノも理解した上で選ばないと痛い目に合うと思って良い。
「イソリミテッド、初回使用で仕掛け投げたら穂先が折れた!!」
うん、投げ方が悪いだけ。
「スティーズのブリッツでクランキングしてけど、足元でデカいのばらした!!」
うん、やり取りの仕方が悪いだけ。
「磯で軽くぶつけただけなのにエクスセンスが折れた!!」
うん、周りをみてないだけ。
「ポイズングロリアスのマイティーストロークで21gのペンシルベイトを軽くキャストしたら
とりあえず
あなたが悪い。
わざわざ高いお金出して、自分で考えて、自分で選んだロッドから生まれた結果なんだから、折れようが、ばらそうが、怪我しようが、基本全部自分のせいです。
ハイエンドロッドを選ぶとは、「言い訳しません」、っていうのと同じですよ。
ボーナス入ったらモアザンを買おうと思っているそこのあなた!
手に取る覚悟は出来てるかい??
まとめ
要点をまとめます。
・現代のロッドはハイエンドとエントリー・ミドルクラスと比較しても大きな差は無くなってきている。
・ハイエンドクラスは、特定の狙い方や用途に応じたプロフェッショナルな性能と世界観を有しており、使い手を選ぶのが当たり前。
・ハイエンドロッドを一度手にすれば、あなたはもう言い訳が出来なくなる。
正直言って、ハイエンド機種=いいロッドだとはオレは全く思っていない。
尖りまくった性能を持ったロッドも優れているし、尖った要素は無くてもマイルドで安心感を持って使用できるロッドもやっぱり優秀なんだよね。
問題は、自分に合ったモノを選べるか否か。
そのためには高いロッドも安いロッドも、固定観念を取っ払って実際に手にして見る事が大事だと思いますよ。
でも、少なくともハイエンド機種を選ぶ事は、言い訳が出来なくなると思って良いと思います。
参考になれば幸いです。
以上、ムラキでした。
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